歓迎会も終わり、2次会組はそのまま流れて行った。

私と加奈子は良樹さんと帰った。

一哉さんはいつの間にか帰っていた・・・。

「じゃ、明日」

駅前で加奈子達と別れた。

私は一哉さんに連絡を入れた。

ホテルのラウンジにいるのでそこに来てほしいと言われた。

ラウンジで一哉さんが一人飲んでいた。

「お疲れ」

「お疲れさま。荷物を取りに来ました」

「部屋にあります」

「取りにいきませんか?」

「これ飲んからでもいいですか?」

「何か飲みませんか?」

「じゃ 少しだけ」

ビールを頼んだ。

「今日政子さんと話をしてましたね」

「ええ。優志のことを」

「話をしても、泣かなくなりました」

「それで?」

「新しい人生を歩めって」

「新しい人生?」

「1課に来たのは運命じゃないかって」

「運命ね・・・」

「知らない間に誰かがいるんじゃないかって」

「俺かな?」

「わかりません・・」

「俺じゃだめ?」

「一哉さん今酔ってます?」

「いいえ。お酒は飲んでますが、酔ってません」

「まだわからないんです。自分が・・・」

「自分が?」

「このまま先に進んでいいのか?立ち止まろうとする自分もいるんです」

「それで?」

「優志のことを考えてしまう・・・でも忘れてしまった自分もいる」

「真理さん。心の中の優志は悲しい思い出かもしれない。でも本気で真理さんのことが好きな人なら・・・
優志のことも許せる人じゃないのかな・・・そういう運命で出会った人が真理さんなわけで・・・
後は真理さんが相手をどれだけ愛するってことじゃないのかな?」

「私が・・・」

「そう。あなたが」