早速別室勤務が始まった・・

その部屋には、一哉と私の2人で過ごせるようになっていた。

「ここって何の部屋だったの?」

「重役室ってとこかな?」

「今までは誰が使っていたの?」

「・・・智哉・・使う予定だったと言えばいいかな」

もしかしたら、良樹さんや一哉も使う部屋だったのかもと思った。

「一哉さん、真理、お茶入れました」と沙紀が持って来てくれた。

「ありがとう・・智哉さんは?」

「もうすぐここにきます」

「兄貴、休憩させてくれ~」疲れた様子で入ってきた。

「おいおい、それぐらいでへこたれるなよ・・」

「兄貴の社長就任のせいだろうが。兄貴、明日から覚悟してろよ」

「ああ・・わかったよ」

みんなそれなりに忙しくなってきたみたいだった。

私は黙々とパソコンに向かって仕事をしていた。

キーボードの打ち速さに沙紀が驚いていた。

「真理・・早すぎる・・」

「真理は仕事ができるからな」と一哉が言った。

「こんなのまだ序の口よ・・もっと大変なこともあるから」

暫くして打ち込みが終わった・・

書類の量を見て沙紀がもっと驚いていた。



部屋の電話が鳴った。

彼女がもうすぐ来るらしい・・時間が早まったと・・



よし・・・気合入れなきゃ・・・コーヒーを飲みながら思った。