幸せになっていいですか

「ご挨拶が遅れてすいません。新藤一哉です。このたびは娘さんとの結婚のお許しをいただきたく
　お願いに上がりました。」

「そんな堅苦しくせんと、一哉くんとは昔見たことあるし、お父さんとも昔からの友人や。
　ほんまにうちの娘でええんか？こっちが挨拶に行かんとあかんな～」と笑いながら言ってくれた。

「真理。一哉君の両親に会ったの？」

「うん。ちゃんと話もした。」

「そうか・・・真理が決めたことや、何も言わん。真理の人生や思う存分やったらええ。
　一哉君と一生ついていくと決めたなら、帰ってくることないようしっかりせえ。
　父さんはこれ以上言わん」

「ありがとう。お父さん・・」こみ上げてった涙が一気に溢れた。

「こんな家出娘やったのに・・父さん、母さん、私のこと許してくれて・・
　私頑張るから・・西田の娘として恥のないようお嫁にいくわ」

「真理・・ちょっと寂しいけど、母さんもいつかあんたがお嫁に行くことは
　覚悟してたから・・・真理・・今までたくさん苦しんだこともあったやろ・・
　もう幸せになったらええんよ・・一哉さんと・・頑張り・・」涙目で言った。

「お母さん・・・私・・幸せになるから・・」泣きながら笑った。

「一哉さん。この娘は何も知りません。教えなあかんことを教えず今日まできました。
　それも私達が悪かったのが原因です・・・。一哉さんのご両親にも申し訳なくて・・
　こんな娘ですが、私達にとっては大切な子です。うちの宝です。
　一哉さん・・真理のこと・・よろしくお願いします」と両親が頭を下げた。

「お父さん。お母さん。頭を上げてください。僕が一生をかけて真理さんを幸せにします。
　約束します。真理さんは一人で一生懸命頑張ってこられました。
　僕には勿体ないくらい素敵な方ですよ。
　これから二人で頑張りますので見守ってください。よろしくお願いします」と頭を下げた。

「真理・・・一哉さんと頑張りなさいね」とお母さんが最後に言った・・


それから家族みんなで食事に出かけた・・

久しぶりに言ったレストランは、私も知っている懐かしい所だった・・

「真理さんですか？」とシェフが見て驚いていた。

「どうもご無沙汰してました」と笑って答えた。

懐かしい味を堪能し、家族との久しぶりの会話にかなり時間が過ぎていた・・

続きは家で飲むことになった。