君と歩く未知

 アタシは首元に両手を当てて必死に息をしようとする…
でも、だめだ、できない。
苦しい、きっと…過呼吸だ…
その様子を見ていた直紀くんがアタシの背中をさすった。
「おい、どうしたんだよ。弥生…?」
その時、明るい元気な声がした。
「あー、やっぱここにいたー!直紀、超捜したしー!」
美和ちゃんが能天気な声で直紀くんを呼んでる…
「あっ!美和、弥生の様子がおかしいんだ!」
美和ちゃんはアタシの元に駆け寄って来る。
「弥生ちゃ~ん?…あれ!?ヤダ、過呼吸じゃない?」
「過呼吸!?何それっ!?」
過呼吸に気が付いてくれた美和ちゃんと、事態が把握できない直紀くん。
「いいからっ!この教室ビニール袋とかないのっ!?」
アタシは美術室の前を指差した。
そこには、この間カズくんと一緒にコンビニで買ったお菓子が、まだビニール袋ごと置いてあるはずだ。
「あっ!これか?美和」
直紀くんはビニール袋を取って来て、美和ちゃんに渡した。
美和ちゃんは手馴れた手つきでアタシの口にビニール袋を当てた。
「…大丈夫よ、ゆっくり息してごらん?アタシもさ、中学ん時部活がハードで過呼吸になっちゃったことあるんだよね。でも、こうしてると、すぐに良くなるよ。…ねぇ、直紀、和哉に電話してすぐに来てもらって!」
美和ちゃんはアタシを落ち着かせようとずっと背中をさすってくれていた。
直紀くんがカズくんと話してる…
カズくん、来てくれないかも知れないな…
寂しいよ、悲しいよ。
カズくんに会いたい…
ごめんねって言いたいよ…