君と歩く未知

 ―ピンポーン…
遠くで何か音がしてる。
―ピンポーン…
うーん…お客さんかな?
お母さん出てくれないのかなぁ…
そーいえばお母さん仕事だっけ?
―ピンポーン…
あぁ…うるさい!
アタシがやっとベッドから起き上がって時計を見ると、ざっと三時間は寝ていた。
まるでタイムスリップしたような不思議な気分のまま玄関まで走った。
―ピンポーン…
「はいはいはい!今開けますよー!」
アタシは訪ねて来た人を誰かも確認せず、おもいっきりドアを開いた。

 「あ、よかったあ!なかなか出てくんないから、家を間違えたかと思ったじゃん」
そこにはニコニコしながら、制服を着たカズくんが立っていた。
「へ!?なんで!?…ちょっ、どーしよ、アタシすっぴんだし!パジャマだし!髪ボサボサだしっ!ちょっと、顔見ないでねっ!」
カズくんはそんな慌てるアタシを見て笑った。
「やった!予想どおりのリアクション。さすがだな、弥生」
アタシは頭が回らなくなってパニックになった。
でも、こんなところで立ち話させるのもマズイよね?
「あ、えと…汚いけど、上がって」
そう言ってアタシはカズくんを家の中に上げた。