君と歩く未知

　アタシは次の日、大事を取って学校を休んだ。
ってゆーか、お母さんが心配して学校に行かせてくれなかった。
カズくんには一応メールを打っておいた。
＜風邪ひいちゃった；
学校行けそうにないんだぁ…ゴメンねっ；
だから、今日はカズくんも絵を描きに来なくって良いよ(^^ゞ
最近忙しかったから、今日はカズくんもゆっくり休んで(^.^)/~＞
風邪なんて嘘、ごめんね、カズくん。
だって過呼吸なんて言ったら過剰に心配するでしょ？
心配してくれるのは愛されてる証拠かもしれないけど、アタシはそんなもので愛の重さを量りたくないし、そんなに心配されると罪悪感に襲われる…
　
　独りぼっちのアタシはベッドの中でいろいろなことを考えた。
カズくんとの合作、もうすぐ完成するね。
きっとアタシ一人じゃあんなに良い作品は描けなかった。
文化祭で展示するのが楽しみだな。
あの絵を見ると誰もが幸せな気分になれるはずだよ…
　それから、美和ちゃんや直紀くん、竜平くんのこと。
美和ちゃんと直紀くんは、アタシとカズくんがもっと仲良くなれるようにってお泊りで花火大会に行くことを提案してくれたんだろうな。
きっと竜平くんが抜けたのも裏で仕組んでたんだろうなぁ。
もうみんなが何を考えているかわかっちゃった。
でも、気が付いていないふりをしておこう。
みんなアタシとカズくんのことを思ってしてくれたことだもんね。
　次に昨日のお母さんのこと。
「お母さんは、こんなアタシが憎くないのかな」ってずっと心配してた。
…憎むどころか、お母さんはアタシをかばってくれた。
…そうだ、これからお父さんの代わりにアタシがお母さんを守ろう。
そうしたら、きっとお父さんも天国で安心して暮らせるよね。
お父さん、見守っててね。
アタシ、頑張るから。