ドアの開く音とともに見た目ヤンキーな男の子二人と女の子一人が入って来た。
アタシは突然のことにびっくりして振り向いた。
なんで誰も知らないはずのこの部屋のドアが開くっていうの?!

 「和哉!てめぇ補修サボりやがってこのやろー!こんなところで彼女とイチャついてたのかよ!」
そう言って一人の男の子がカズくんにヘッドロックをしかけた。
カズくんは笑いながら「ギブ、ギブ」なんて言っている…。
カズくんの友達かな?
そういえばカズくんと一緒のところを見たことがある!かも…
「きゃー、和哉の彼女ちゃん!初めましてだー!」
そう言ってアタシに駆け寄って来る女の子…
女の子に手を握られ、アタシはどうしていいかわからなくなる…
とりあえず愛想笑いしとくか。
…カズくんに目で助けを求めるが、全然気付いてくれない。
 「おい、和哉が紹介してやんないと!彼女が困ってるじゃん!」
助け舟を出してくれたのはもう一人の男の子。
見た目は一番ヤンキーなのにしっかりしてるなぁ…
アタシは妙に感心してしまった。
カズくんは「そうだった」と言ってアタシの方に向いた。
「こいつら、オレの連れ。こいつが直紀」
そう言ってカズくんはヘッドロックをした男の子を指差す。
「そんで、そこのウザいのは美和」
そう言って指差されたのはアタシの手を握った女の子。
「ウザいってどーゆーことー?!」
アタシには出せないような高い声でカズくんに反論している。
カズくんはそれを無視して話を進める。
「んで、あいつが竜平」
助け舟を出してくれた男の子を指差してそう言った。
竜平くんは少し頭を下げて「よろしく」と言った。

 アタシは手に持っていた大きな筆を、床に落としてしまっていた。
この異色のコラボレーションにアタシは唖然とするしかなかった。