君と歩く未知

　アタシは絶望した。
どうしてこんなことになってしまったのか、アタシには理解ができなかった。
このお腹にいる子は、アタシとカズくんの子だと思っていたのに、突然、
「この子はカズくんの子じゃないよ」
なんて言われたってわからないよ…
アタシは泣きじゃくりながら、美和ちゃんに手を引いてもらってとぼとぼ家へと帰る…
斜め前を歩く美和ちゃんは、いつも強気で明るいけど今は美和ちゃんの肩が震えて見える。
きっと美和ちゃんは泣いてくれているんだね…
アタシも辛いけど、美和ちゃんも同じくらい辛いよね。
　ごめんね…美和ちゃん。
ごめんね…みんな、本当にごめんね。
かわいそうな赤ちゃん…かわいそうなカズくん…
悪いのは全部アタシだよ…
アタシがレイプになんて合っていなかったら…
あの日カズくんと一つになっていなかったら…
アタシがこの赤ちゃんをカズくんの子だって勘違いしなかったら…
アタシには今とはちがう未来が訪れていたのかな…？
アタシが全部壊しちゃったんだよ。
赤ちゃんの未来も、カズくんの未来も…
カズくん、この赤ちゃんが自分の子じゃないって知ったら何て思うだろう…？
本当のことを伝えたら、カズくんが傷付いてしまうのは目に見えてる…
だけど、このことを黙ってカズくんの子として産んでもカズくんを不幸にしてしまうだけだ…
アタシ、一体どうすれば良いんだろう…？