ーーその日の夜。 両親は仕事が終わるのが遅く、一人で特番のテレビを見ている時だった。 ピンポーンとチャイムが鳴り、私は玄関の方向に目を向ける。 誰だろう、こんな時間に… 私はインターホンの受話器を取り、はいと声をかけた。 『隣に引っ越してきた者ですけど…』 「あ、はい。今行きます」 お隣引っ越してきたんだ。 しばらく空きだったもんね。 どんな人なんだろうと玄関のドアを開けると、目の前の人物に一瞬頭が真っ白になった。