不器用な二人









「…マネージャーさん、私逃げてもいいですか?」




マネージャーさんにしか聞こえないぐらい小さな声で問いかけた。




「なんで?悠斗に怒られるから?」



その答えに勢いよく縦に頷く。




すると、マネージャーさんはクスリと笑う。



「じゃその時は俺も逃げよー。悠斗怒ると怖いもん」




「え、何言って…」




「わかっててするもんな。ユキさんは」




「!」



いつの間にか不機嫌な悠ちゃんが目の前に立っていた。




悠ちゃんの向こう側を見るといつの間にか撮影が終わっていて、次の撮影の準備をしていた。




「お疲れ悠斗。ほれ、台本だ」



「ああ…ありがとう」