不器用な二人









「ね?怪しい者じゃないでしょ?」



「…まぁ」



正体がわかれば、ね。
…でも、なんでマネージャーさんがこんなところに?




悠ちゃん仕事じゃないの?



私はエレベーターのボタンを押すと、マネージャーさんも後ろからついてくる。



「悠斗ってマヌケだよねー。台本を家に忘れちゃうなんて」



「台本?」



「そっ。二時間ドラマ。あ、これまだ秘密だから」



ニコニコ笑うマネージャーさん。
その秘密を私に教えていいのだろうか…




「悠ちゃんの家はここです」




自分の家の玄関前で、マネージャーさんに悠ちゃんの家を教える為に指を差す。




マネージャーさんはありがとうと笑顔でお礼を言うと、ポケットの中から鍵を取り出した。




ああ、悠ちゃんから借りたんだと一人で納得した。