不器用な二人








「あ、そこのお嬢さん」



「…っ」



え、本当に怪しい人!?


私危なくない?大丈夫?




逃げ腰になっていると、怪しい男は慌て始めた。




「ま、待て!俺は怪しい者じゃない」



「じ…十分、怪しい…です…」




エレベーターで逃げるのが早い?
それとも、やっぱり階段?




とりあえず、この人から逃げたい。



そう思っていると、怪しい人から“榊原”という言葉が聞こえた。




…え?



「榊原…?」



「そう!ちょっと何号室だったか忘れちゃって…」




…ああ、なるほど。
もしかして、芸能関係の人かな?