不器用な二人








この声って…




私は恐る恐る後ろへ振り向くと、そこには悠ちゃんと誰か知らない男の人がいた。




え、なんで悠ちゃんが…?



昨日みたいにメガネをかけ、今日はキャップ帽子を被っていた。




他の人からはこの人が榊原悠斗とは気づかないみたいだけど、私はすぐわかる。




昨日その格好を見たからかな?




「何してんの?」



「え…っと…」




合コンに行ってました。なんて、言えるはずがなく言葉を濁していたら、悠ちゃんは浩太さんの存在に気づいた。




「…へぇ、そういうこと」




悠ちゃんは低い声でそう呟くと、浩太さんは私に話しかけてきた。




「美遥ちゃん、知り合い?」



「あ…この人は…」



浩太さんも榊原悠斗とは気づいていないみたいだ。



私は幼馴染みですと言おうとしたら、後ろから悠ちゃんに抱きしめられた。