不器用な二人









「お待たせ。じゃ行こうか」



「…」




後で有沙に電話で言い訳しよう。
許してくれるまで、謝ろう。




そう思いながら私は山崎さんとカラオケを出て、近くのレストランへ入った。






「何にする?」



山崎さんはメニュー表を私の方に向けて渡してくれる。



…さっきのカラオケでもそうだったけど、山崎さんって紳士だ。




「えっと…じゃ、オムライスで」



「オムライスね。何かドリンクやデザートとかは頼む?」




「あ、大丈夫です」



オムライスでお腹いっぱいになっちゃうし…
今日はいいや。




「じゃ俺も同じにしようかな」




山崎さんは店員を呼んで、オムライスを二つ注文した。