「理由はなんだったの?」
「ママがいないって泣いてた。その時は確か…美沙さんは買い物に行ってた気がする」
まだそこまで仕事人じゃなかった気がする。と悠ちゃんは当時のことを思い出しながらそう言う。
「だから美沙さんが帰ってくるまで一緒に遊んだんだ。そしたら見事に懐かれた」
それ以来美遥は、俺を見かけてはトコトコと俺のところへ来て、ずっと一緒にいるようになった。
うわぁ…
なんか、自分の昔のことを聞くと恥ずかしい。
私ってかなり単純じゃない?
「まさかあの小さな女の子にこんなに惚れるなんて思わなかった。あの時美遥に話かけていてよかった」
「悠ちゃん…」
「確かに俺たちはすごく遠回りなことをした。幼馴染という関係を壊したくなくて、一歩を踏み出せなかった…特に俺が」
自嘲気味に笑う悠ちゃんは私は首を横に振る。
だって、私もそうだったんだもん…
一度は振られたくせに、でも諦めきれなくて…
だから幼馴染でもいいから、悠ちゃんと一緒にいたかったんだもん。


