「ねぇ、美遥はどっち?」
「…どっち…って…」
言われてもねぇ…
有沙への返答に困る私、渡辺美遥。
私たち三人は中学の時から一緒にいて、今年は運良く三人とも同じクラスになった。
そして今は、人気上昇中の若手俳優、榊原悠斗の話をしていて、有沙の…いや、クラスの女子全員の興奮がすごい。
「あー、私ついていけないわ」
「恭子ー!なんかおばさんくさいー」
なんならもうおばさんでいいよ。と恭子は呆れたような顔で言う。
おばさんでいいって…
恭子さん、まだ17でしょうが!
「それで?結局美遥はどっちなの?」
首を傾げる有沙。
可愛いなもう。癒しだ。
「俳優さんは興味あるよ。…でも榊原悠斗には、興味はない…かな…」
「えーなんでー?目の保養になるよ」