「じゃあ、お邪魔しました」
「お邪魔しました」
「また来てね、二人とも」
千里ちゃんはちーちゃんに抱き上げられて、親子三人に見送られる。
私たちは和泉家を後にし、悠ちゃんの車で事務所まで向かう。
何でも仕事に行く前に、社長さんが私を会わせて欲しいとのこと。
だ、大丈夫だよね?
社長さんも認められる…んだし。
「どうだった?稚嘉一家は」
不意に悠ちゃんから質問され、私は先ほどのちーちゃん一家を思い出す。
「…すごく、よかったよ。なんて言うか…憧れちゃう」
ちーちゃんも砂羽さんもすごく幸せそうだった。
私もあんな家庭をつくりたいと思った。


