その時、リビングから千里ちゃんの泣き声が聞こえた。
私と砂羽さんは慌ててリビングに戻ると、悠ちゃんは戸惑っていて、ちーちゃんは何故か落ち込んでいた。
…たった数分で何があったの?
「千里おいで」
砂羽さんは千里ちゃんにそう言うと、千里ちゃんは泣きながら砂羽さんの元へ行く。
砂羽さんは千里ちゃんを抱き上げ、よしよしと背中を叩く。
「稚嘉、悠斗くん。何があったの?」
砂羽さんはちーちゃんの隣に座り、二人に状況を聞いた。
「いや…悠斗がさ、夕方から仕事らしくて、そろそろ仕事場に向かうって言ったんだ」
「うん」
「…で、悠斗が千里を膝の上から降ろした瞬間泣き始めた」
「…で、稚嘉が千里を抱っこしようとしたけど、千里が嫌々と首を振って駄々こねたんだ」
…話を聞くと、ちーちゃん可哀想。
砂羽さんだって笑堪えてるし…
「ちょっと、砂羽…」
「うん、ごめんね稚嘉。それにしても千里は悠斗くんにかなり懐いちゃって」


