「…もしかして、今日はおじさん、おばさんは早いの?」
「え…?あ、ううん。今日もいつも通り遅い…」
「そうか。じゃ俺はこれからマネージャーと打ち合わせするから。終わったら家に行く」
悠ちゃんは私の頭をポンっと叩き、この場を去って行った。
悠ちゃん…
両親のことを覚えてくれていたんだ。
昔から両親は仕事が終わるのは遅く、いつも悠ちゃんの家にお世話になっていた。
お母さんはお父さんの転勤についていく為に、前の職場を辞めたけど…
元々仕事人だったお母さんは新しい職場に就いても、帰りは前と変わらなく遅い。
家には私一人で寂しかった。
でも、寂しい時はいつも悠ちゃんがいてくれた。


