不器用な二人








「…悪りぃ。こんなこと言いたいんじゃなくて…」




悠ちゃんは私の涙を掬い、泣かすつもりはなかったと言う。



悠ちゃん…?

どうして急に優しくしてくれるの?
…嫌いになったんじゃないの?




「…美遥はこれから用事はあるのか?」




悠ちゃんの言葉にハッとし、慌ててこれからの予定を確認する。




「え、と…」



多分有沙の興奮トークを聞いて、解散すると思う…



有沙は明日の為に早く帰るって言ってたし…

恭子もきっと有沙と帰るはずだから…




「もし、用事がないなら家にいて。ご飯食べ行こう」



「…え!?」



ご飯食べに!?

え、嘘。
何かの間違いじゃ…




「…なに?嫌なの?」



悠ちゃんは険しい顔でそう言い、私は慌てて横に振った。




嫌なわけない。
まさかの展開に頭がついていかないだけで…