撮影とは違い、メガネに黒いキャップ帽子を被っているけど… 悠ちゃんで間違いはなかった。 悠ちゃんは私が大人しくしたことを確認して、塞いでいる手を離す。 「なんで…」 帰ったんじゃなかったの? 「それはこっちのセリフだ。なんで来たの?」 冷たい目で問いかけてくる悠ちゃん。 やっぱり…来ちゃダメだったんだ… 「と…友達の、連れで…」 想像していた以上に辛い… これ以上嫌われたくないのに… だんだんと視界が歪んでくると、悠ちゃんはがしがしと髪を乱す。