不器用な二人









最後だからと言う浩太さんに私は素直に受け入れた。




「最後にさ、それを言うなんて卑怯じゃない?」




「卑怯…ですか?」




「うん。卑怯。こんなに俺の心を掻き乱して」




浩太さんは私から離れると、彼はすごく悲しそうに笑う。





「美遥ちゃん、今までごめんね。そしてありがとう。榊原悠斗と幸せにね」




私の頭をポンと置く浩太さんに私は涙が出そうになった。



そして今度こそ浩太さんはこの場から去っていった。




ほらね、やっぱり浩太さんは優しい人だった。
全然悪い人じゃなかった。



….と言っても、気づいたのはつい最近だけどね。



それに…今こうして悠ちゃんと付き合えたのは、浩太さんのおかげかもしれない。




もし、浩太さんと付き合っていなかったら、ずっと幼馴染みの関係だったのかもしれない。