「うん。知ってるって悠ちゃんに聞いた…」 この前社長さんと話して仕事に成果を出したなら、認めると悠ちゃんから昨日説明を受けた。 そして許可が降りたのは、つい一週間前の話。 「…榊原悠斗のくせに…なんでも味方につけてるんだね」 「くせにって…」 「じゃ心配ごとは何もないんだ」 浩太さんはそう言うと立ち上がり、伝票の紙を持っていく。 「え、浩太さん…」 「いいよ。別れてあげる。どうせ本気じゃなかったし。じゃあね美遥ちゃん」 そう言って浩太さんは支払った後、店を出て私はそれを追いかける。