「……大事に?俺が?」
浩太さんは携帯を弄りながら、呆れたような顔で言葉を発する。
「美遥ちゃんと付き合ったのは、ただの暇潰しだよ」
たまたまいいモノ見ちゃったからと浩太さんは言う。
「それに、榊原悠斗が交際を発表するって言ってたけど、その前にもう報道されてるよ」
「…え?どういうことですか?」
昨日ずっと悠ちゃんと一緒にいたし、周りは誰もいなかった。
なのに、なんで報道なんて…
「あ、やっぱり知らないんだ?今朝、芸能ニュースでやってたよ。榊原悠斗が一般女性と海でデートか!?って。それ、美遥ちゃんのことでしょ?」
浩太さんの言葉に驚きを隠せなかった。
なんで知ってるの?
「榊原悠斗ってさ、憎たらしい程人気あるじゃん?いつもは変装してるくせに、昨日はしていなかったみたいだし。そんなのすぐに榊原悠斗だってわかるじゃん」
ほら、と浩太さんは携帯である写真を見せてもらった。
その写真は昨日海の家でまったりしている時に撮られたものだった。
幸い私は後ろ姿で、顔は撮られていなかった。


