すると悠ちゃんは私の気配を感じたのか、ぱっと目を開けた。
「…あれ、俺寝てた?」
「うん」
「マジか…ただ寝転がっただけなのに…」
じゃ風呂入ってくるかと悠ちゃんはベッドから降りる。
「ねぇ、悠ちゃん」
「ん?」
私は部屋から出て行こうとしている悠ちゃんを引き止める。
「あの…ありがとう…」
私に会いに来てくれて。
そう気持ちを込めて、私は悠ちゃんにお礼を言った。
悠ちゃんは何が?と笑みを浮かべながら、下に降りて行った。
多分、わかっていたよね、あの笑みは。
なのに、とぼけちゃって…
私も悠ちゃんの部屋を出て、真理子さんがいるリビングへ向かう。
ご飯食べたら、悠ちゃんと話をしよう。
そして…浩太さんのことも…
そう、決意をしながら…