不器用な二人









「美遥、ありがとう。とりあえず今は車に乗って」





熱中症になっても困るからと、悠ちゃんは私を助手席に座らせた。




そして悠ちゃんも運転席に座り、クーラーをいれてくれた。





「今日はちょっと遠くに行くから、眠かったら寝てていいから」




悠ちゃんはそう言うと車を発進させた。




…また、悠ちゃんの隣に…この助手席に座れるなんて…嬉しい…
嬉しすぎるよ…





ねぇ、悠ちゃん。



やっぱり悠ちゃんはズルいね。




悠ちゃんの言葉や行動に、こんなに嬉しい気持ちにさせちゃうんだから。





…でも、残酷だよね。




こんなに好きにさせて…
私はどうしたらいいの…?




どんどん悠ちゃんにハマっていって、最後はもう抜け出せなくなる。




私…もう悠ちゃんと離れなくない…



また昔みたいに、戻りたいよ…