不器用な二人









私は誰もいない家に鍵をかけて、エレベーターで下に降りる。





待ち合わせ場所は確か…駅前だったよね。




エントランスを通って、マンションの外に出た。





だけどマンションの前には見覚えのある車が停まっていて、運転手がちょうど車から降りてきた。




なんで…


なんで…ここにいるの…?




もう二度と会えないと思っていたのに…






相手も私に気づき、ゆっくりと私に近づいてきた。




「…久しぶり、美遥」




「…っ」





ああ…ダメ…泣きそう。




どうしてここにいるのか、わからなかった。



だって、来季のドラマだって決まっているんだよ…
今から更に忙しくなるんじゃないの…?




なのに…どうしてなの…



…悠ちゃん。