「…ということで、お邪魔しました」





「本当にな。じゃあな」




稚嘉はやっと家族と過ごせるからなのか、かなりいい笑顔で見送られた。





本当、失礼な奴。
…でも稚嘉に相談したおかげで、決心がついた。






俺は和泉家を出て、仕事場へ向かう。
そして全ての仕事を終えると、事務所に戻って社長室の前に立つ。




まだ社長いるかな…
もう深夜過ぎちゃってるし…



でも美遥に話す前に、先に社長に言っとかないとな。




社長室のドアをノックすると、中から返事が聞こえた。




「おー、悠斗。どうした?」



「夜分にすみません。社長にお話がありますー…」