不器用な二人








「あら、悠斗くん来てたの?」




昼ご飯食べて行く?という砂羽さんの誘いに俺は断った。




もうすぐ仕事だし、何せ稚嘉に睨まれるし。
独占欲強いよね、本当。




俺は近寄って来た千里を抱き上げ、俺に背を向けるような形で膝の上に乗せると、千里は楽しそうに机をばんばん叩いて喜んでいた。




マジで可愛いな。
癒される。




「膝の上に乗ってもらうの、千里じゃなくて美遥ちゃんがいいんじゃないの?」




「え、悠斗くんまだ美遥ちゃんにゾッコンなの?」




砂羽さんは嬉しそうに一途ねーと言っていたけど、自分たちも一途だろうが。




しかも何故か砂羽さんも美遥のこと知ってるし…
それも五年前から。




美遥を会わせたことないし、どうせ稚嘉がベラベラ喋ったんだろうな。