不器用な二人








「そうだな…俺はまだ何にもしてなかったな」



さすが稚嘉。
恋愛に関しては、やっぱり稚嘉の方が上手だな。





「ああ。…まぁ、それでも砕け散ったら5分間だけ千里を貸す」




「…短くないか?」



「あ、長かった?じゃ1分で」



「ごめんなさい、稚嘉様。5分もいただければ十分です。」





稚嘉とこんな話をしていると、玄関の扉が開いた音がした。




そしてペタペタと小さな足音が聞こえてきて、ひょっこりと廊下から顔を出す娘さん。




誰かさんに似ずに育っているから、余計可愛い。
砂羽さんに似てよかったよ、本当。