「あのな…悠斗。俺は久々に休みなの。だからさ、今日は家族で一緒に過ごしたいの。わかる?」
「別にいいじゃん。まだ砂羽さんと千里が帰って来てないんだし」
「もうすぐ買い物から帰ってくるから!」
だから早く帰れと稚嘉は言う。
ひでぇ奴だな。
何で砂羽さんはこんな奴がよかったんだろうか。
砂羽さんというのは稚嘉の嫁さん。
俺たちよりも三つ上だ。
砂羽さんも俺たちと同じ地元の出身。
中学二年の時、稚嘉が高校二年だった砂羽さんと出会って、そこから付き合ったんだっけ。
俺たちがこっちに上京する時は、砂羽さんは地元に残り、二人は遠距離恋愛をしていた。
…だけど、それは一年で終わった。


