「あ、そうそう!」
有沙は鞄の中を探り、悠ちゃんの表紙の雑誌を取り出す。
「“Sugar”で榊原悠斗特集があってね、最後に書かれていたんだけど。なんと!土曜日にこの近くの公園で撮影するんだってー」
ほらほらと有沙は指差す。
土曜日って、今週の?
「あんた、行くの?」
恭子は有沙に言うと、当たり前じゃんと笑顔で答える。
「絶対に人は多いけど、でも生で見たいじゃん!」
「榊原悠斗って、ファンサービスいいね。こんなこと雑誌に載せたら、絶対混雑するのに。そんなに人に囲まれたいか」
「ちょっと恭子聞いてよー」
そんな二人のやりとりを見ながら、私は悠ちゃんのことを考える。


