不器用な二人









「…今日はありがとうございました」




マンションの玄関前で、私は浩太さんにお礼を言う。




「いーえ。俺も楽しかったし」




にっこりと微笑む浩太さんに、私は安堵の笑みを返した。




これで今日は帰れる。
…そう思っていたのに…





「美遥ちゃん」




ほんの一瞬だった。



浩太さんが近づいてきたかと思えば、唇に何かが触れた。




……え?




今のって…





「いいよね?俺たち“恋人同士”なんだから」




キス…だよね、




初めてのキス…