「お土産はいいの?買ってあげるのに」
「いいです!」
私は大袈裟に手を横に振る。
水族館のお土産屋さんって高いし、別に欲しい物はないし…
「もう夕方か…早かったね」
「はい…結構中に居たんですね。それに日が暮れるの早いですね」
まだ16時だと言うのに、空はオレンジ色に染まっていた。
「帰ろうか。家まで送る」
「あ…はい…」
今日は苦じゃなかった。
やっぱり、友達と思って過ごしたから?
もし、ずっとこのままだったら、何とかやっていけるかもしれない。
…そう、思っていた。
でも、その考えは甘かった。


