「美遥ちゃん、おはよう!待った?」
「…いえ」
デート当日。
正午に駅前で待ち合わせをしていて、私は五分前に着いた。
そしてその直後に浩太さんがやって来た。
「今日は隣町の水族館に行こうか」
にっこりと微笑む浩太さんは私の手を引いて電車に乗る。
…意外と普通のデートなんだ。
よく考えれば浩太さんは普通の大学生だ。
ただ先日の話で浩太さんのことが怖くなって、びくびくしていたけど…
でも隣で無邪気に笑う浩太さんは本当に今日のこと、楽しみにしていたかもしれない。
…まだ恋人同士としては無理だけど、友達としては…楽しめるかな?
そう思うと少しだけ楽になったかも…
…なんか、私って単純だ。


