不器用な二人








「好きなもの頼んでいいよ」




「で、でも…」




急にそんなこと言われても…




「いや?」




またあの悲しい顔で問いかけてくる浩太さん。



だから、その表情はやめて!




「じゃ…イチゴタルトで…」



「了解」



浩太さんは優しい笑みを浮かべ、店員さんに二人分の注文をし、会計を済ませる。



「浩太さん!今日こそは…!」



今日はちゃんと鞄の中から財布を取り出したのに、浩太さんはまた俺の奢りと言い出した。




「いいの。俺が連れてきたんだから」



それで納得するわけないじゃない!