「だからー、桜ば言えばいい話なの。ん? 言ってみ?」


「あ、あ、あぅぅ......だ、ダメ...」


無理。



顔に手を当てると、俯く。


「桜? ほら」


「......す、......すす...」


「す?」


顔を上げて早川くんを見れば、嬉しそうに顔を緩めていて。


キュウと胸が締めつけられる。