傷つくのも当然だよな。 もう遅いかもしんねーけどよ。 「野村‼︎」 目の前に見える野村の背中に向かって、声を張り上げる。 一瞬、振り返った野村。 見えた表情は、今にも泣きそうなそんな顔をしていたように見えた。 言い逃げかよ。 ずりーじゃねーか。 俺は鞄を掛け直すと、 「俺の本気なめんじゃねーよ。ぜってー捕まえてやる」 そう呟いて、走るスピードを上げた。