それからたいぶ時間が経って。 早川くんが教室に入ってきた。 その姿を確認した瞬間、ドキドキと心臓が音を立てる。 「今日、放課後この教室に残ってて」 そう言わないと。 言わないと... そう思いながら、ギュッと制服のスカートを握りしめる。 「なーなー! 昨日さ、可愛い犬見つけたんだよ‼︎」 私の後ろでは、いつもの会話が繰り広げられる。