「………あ、」


「思い出した?」




カァッと顔が熱くなる。




そうだ。そのあと、ぐでんぐでんに酔った私を彼は何故だか家まで送ると言ってくれたんだ。



彼は綺麗な顔で、すっごく私の好みで、舞い上がった私は。




「“抱いて”って、自分から言ったよね」


「い、言わないで………!」


「何で?可愛かったのに」




不服そうに彼は言った。嬉しいけど、そういう問題じゃない。


しかし、よく考えたらその時私たちはお互い何も着てなかった。
今考えたらよくそんなに思い出していられたと思う。





「ねえ、中瀬サン?」




可愛らしい、人懐っこそうな笑みの隙間から、少し不敵なそれを覗かせた彼は、言った。










「会社のパソコンに一斉送信したら、困る?」








いつの間にかその手に握られていたスマホには、裸でシーツにくるまる私と彼が、写っていた。