彼の遊戯






―――昼休み。




どうしても彼に言われた仕事すらやる気がでないまま、私はひとり、自分のデスクでお弁当をつついていた。



食べる気も起きない。早退する気なら起きるのだけれど。





「…はあ、」




ため息は、今日何度目だろう。




「……………嫌い」


「何が?」




ピク、身体が跳ねた。


振り向くと、そこにいたのは彼。





「何で、いるんですか」


柿谷課長、と私は彼を呼んだ。






柿谷悠一。彼の、名前を。