「もしかして、昨日の…、」
「そう。やっとわかった?」
動揺を隠せない私に対して、彼は変わらない笑顔で甘い口づけをしてくる。
「ん、ふぁ…」
とろん、と。快楽に溺れかけたその瞬間、乾いた音が部屋に響いた。
「あうう!!」
じんじんと太ももが熱く脈打つ。
涙を浮かべた私を見下ろす彼の瞳は、何故だか熱を帯びていて。
「ごめんね。さえちゃん」
「あっ!つぅ…。ふぅ、んん」
太ももだけでなくお腹にも、幾度か乾いた音が走り、跳ねる私の唇にはキスが落ちてくる。
もう、意味がわからなかった。
「―――らい、」
「え?」
どうしてなのか、わからない。
でも気がついたら私はその言葉を彼に浴びせかけていた。
「嫌い!もう、大っ嫌―――ん!?」

