「芦澤、ちょっと……」



学校につくなり健太に俺は呼び出された。



「ななに関わらないでほしいんだけど。」




――きた!



俺は心の中で叫んだ。




「なんで?」



冷たい視線で健太を見た。



「理由はともかく近づかないでほしいんだ。」



健太の目は真剣そのものだった。だから俺はそんな顔をしている健太を笑ってやった。



「嫌だね。」



そう言い捨てると健太の前から去ろうと歩き出した。



健太はすかさず俺の腕をつかんで耳元でささやいた。



「ななは、はなって女とは違うからな。」




そのまま健太は俺の先を歩いて行った。




「知ってるよ。」




胸の中では悔しい気持ちでいっぱいだった。




その言葉が俺の胸にひどくのしかかってきた。