｢はな？｣


俺は自分の目を疑った。



三年前にいきなり消えたはずのはなが今俺の目の前に立っているのだから。




｢はな……｣



もう一度ずっと愛しかった人の名前を呼ぶ。



彼女も驚いた顔で俺を見ている。




――はなだ！




｢はなっ｣



俺ははなを立たせるとそのまま抱きしめた。



｢嫌っ！｣



抱きしめた瞬間はなに思い切り拒まれた。
俺はただ呆然と立った。


｢芦澤……君だよね？私は三組のなな。はなって人じゃないから。｣



――はなじゃない？


こんなに顔も声もそっくりなのに



｢あ、これ。｣




ななってやつが渡してきた手紙は見覚えのあるもの。



｢っ？!これ……｣


｢ごめん。ちょっと中見ちゃった｣



ななは、はなにそっくりな顔で笑っていた。