アイカワラズ -Ten Years-


「次が、ラストの曲です。今日は、皆、どうもありがとうっ」

いよいよラストだ。
バシッと決めるぞ〜っ、ん?

「やべっ…」

やべーよっ。

「どうした、智也」

慎太さんが青ざめた俺に小声で聞く。

「…先生が来てる」

「えっ」

「どうしよぉ。補導して回ってるんですよ」

「しょうがないな。気づかれるまで続けよう。あと一曲だから、助かるかも」

「はい」