アイカワラズ -Ten Years-


「…よしっ、俺達も、行こうぜ」

「はいっ」

ザワザワザワザワ…。
ステージの袖に集まった俺達の耳に客席のざわめきが入ってくる。
慎太さんたちが宣伝して回ってくれた成果が現れてる。
ゾクっ。
うう〜、ヤバイっ。緊張してきたぁっ。

「じゃ、七時になったんで、そろそろ頼むよ」

ライブハウスの支配人の声。

「はい」

慎太さんが答える。

「よし、皆、手ぇ出せ」