アイカワラズ -Ten Years-


六時半。

「智也ぁ」

リハーサルを無事終えて、控室で、衣装に着替えて休んでると、姉ちゃんが入って来た。

「あ、姉ちゃん。どう?お客さんたくさん来てる?」

「ボチボチね。それはいいんだけど、なによ、その格好」

「へ?何って?」

俺、何か変?
膝んとこが破れてるジーンズに、黒のタンクトップ。その上に革ジャンもどき羽織って、靴はブーツ。クロスのネックレスでバシッと決めてるつもりなんだけど。