アイカワラズ -Ten Years-


スリッパ、スリッパと。
坂本をとりあえずソファーの方に案内。
姉ちゃんは向かいに座って、俺は台所のテーブルへ戻って食事の続きをしながら、二人の声に、耳ダンボ状態。

「で、何の用ですか、センセ」

「成田が、お前が変だって、心配してたからさ」

「え?」

やばっ。やっぱ、坂本、その事で来たんだっ。

「智也?」

「…」

無視無視っ。

こういう時は、聞こえないフリして食べるに限る。