パソコン室の、古ぼけた椅子にリンは腰掛けて、僕に言った。



「海斗」




「どうした?」




「あたし、海斗のことが好きすぎてヤバい。ねぇ、なんとかしてよ」




 大きな瞳から、ぽたりと涙が流れ落ちた。やがてその涙は、頬をつたる。




「海斗のことが、大好きなの。いつもいつも、海斗のことばっか考えちゃう。ねぇ、どうすればいい?」




 次から次へと流れ出る涙にはお構いなしに、僕に訊く。




「海斗……どうすればいいの?」




 リンは、泣きながら言った。




「武藤くんにキスされたのとか、はっきり言って、すごく悔しいの。本当は………海斗にして欲しかった」




 その瞬間、僕はリンの顔を僕の顔に近づけて、キスをした。




「んっ………」




 何度も何度も、違う角度から君に、キスをする。




 キスをやめると、僕はリンに、正面から向かって言った。




「リッ……リン。ぼっ…僕と、付き合ってください」






 不器用な僕の全てを包み込むように、君は言ってくれた。







「はい」



 そして僕らはもう一度、甘い甘い、キスをした。