私は葵を抱き締めた。

全力で走って、全力で飛び付いた。

突然のことで、葵はふらついたけど受け止めてくれた。

「本当?」

「ん?」

「ほ…本当に私が好きなの?」

「うん」


見上げると、葵は今までに見たことのない、最高級の笑顔を浮かべていた。


「どこまで私を好きにさせるの…」

「えっ」

「大好き、なんかもう、すごい好き」

「俺もすごい好き」


笑いあって、抱き締め合う。この時間が幸せで、終わりたくないと思った。